2025/09/24 18:53

少し出遅れた感が否めないが、話題の映画「国宝」を見てきたので、書き留めようと思う。レビューの様な物を書いた事がなく、ネタバレの配慮の仕方が分からないので、感じた事をありのまま書く事にする。

二つの呪い

映画全体を通して私なりに感じたテーマは「夢」と「血」
と言う二つの呪いだ。

「夢」と言う呪い

夢とは儚く、時に残酷なまでに人を狂わせる。
ありきたりで有りながら、常に新鮮さを保ち続けるテーマではないだろうか?映画「国宝」にも、このテーマが大きく表れていた。
自身が何者なのか?何者になろうとしているのか?
不安、恐怖、苦悩、苦痛、希望、そして、その先にある未来。
決して約束された物ではない自身の居場所を求めて、物語は進んでいく。

「血」と言う呪い

「血」とは何か?
「血族、血統、血縁」時に強い後ろ建てとなり、時には重い足枷となる。
能力や、情熱では決して手が届かず、欲する程に乾き、飢えていく。
残酷な結末を迎えようと決して抗えない、運命に「血」はまとわりつく。
その「血」が濃い程、全てを与え、全てを奪う。
まるで、古の呪いの様に。

酷宝

「夢」と「血」。
一見すれば、希望や道筋といった、前向きなものとして捉えられる物なのかもしれない。しかし、映画「国宝」で描かれるそれらは、決してそうではない。「夢」と「血」が持つ危うさと、酷い現実。それらに触れた人々の狂気が、歌舞伎の華やかさと相まって、コントラストの様に、色濃く描かれている。何の世界においても、技術を習得する事の道として、その道が険しいのは当然の事だろう。しかし、本当の険しさは、その道と別の所にあるのかもしれない。その道はセンセーショナルに残酷で過酷を極める。
多くの犠牲と、抉られる程の狂気。その先に見える、冷気の様な静寂の輝。
「国宝」とは正に「酷宝」だ。

こんな人に見て欲しい

歌にダンスに演技と、インターネットやSNSの隆盛で、以前に比べてそれらのエンタメに触れる機会が多くなった様に思いう。それら、表現に携わる機会がある方には是非、見て頂きたい。出演者の圧巻の演技力に終始驚かされる事は間違いない。ストーリーや脚本を抜きにしても、それを見るだけでも十分に価値のある作品だ。

まとめ

今回は映画「国宝」に関する記事。
あらすじやキャスティングに関しては、触れるまでもない気がしたので、見て感じたままを不器用に書き綴ってみた。
抽象的になったので、伝わり難い箇所も多々あると思うが、実際に映画「国宝」を見る時の参考にして頂ければ嬉しい。