2025/09/27 11:30

前回の映画「国宝」に次いで、映画「鬼滅の刃」の鑑賞記録も書いてみる事にする。
数年前から話題の漫画「鬼滅の刃」。
「〇〇の呼吸」と言うフレーズが、一世を風靡した。
うちのアルバイトスタッフの中にも熱烈な鬼滅ファンがいて、熱の籠ったプレゼンテーションを受ける事になる。
正直、いくらプレゼンテーションを受けても、ピンとこないし、魅力を感じない。しかし、何故これ程までに流行ったのかは知りたい。
なので、原作漫画、アニメを全て鑑賞した上で、映画を見る事にした。

鬼滅の刃[無限列車編」

そんな経緯もあり、前回の映画「鬼滅の刃:無限列車編」を鑑賞する事になった。妻も関心を示さなかったので、一人で見る事になる。
ちなみに、この時が人生初の一人映画となった(笑)。

感想

正直な感想を述べると、物足りない・・・
これは映画としての物足りなさではない。実は原作を読んだ段階で、鬼滅の刃事態に物足りなさを感じていた。その理由については後述する事にする。
ただ、久々に見る劇場でのアニメ映像と、音響には感動した。
物足りなさは感じたものの、アトラクションの様な楽しみ方をする上では充分に楽しめた。

物足りなさの正体

先述の通り、原作を読んだ段階で感じていた物足りなさの正体は何だったのか?自分なりの考察を立ててみた。

①ストーリー

先ずはストーリーに感じた違和感だ。
違和感と言うと少しオーバーになるので、展開の早さと言った方が良いのかも知れない。同じジャンプコミックスの他作品、例えばNARUTOと比較すると、鬼滅の刃の一つ一つのストーリーの展開やカタルシスがどうしても希薄に感じてしまう。 特に新キャラクターの登場から退場(死)までのスピードが極端に早く感じられ、感情移入する前に退場してしまい、大きな物足りなさを感じる。

②設定

そもそも論になってしまうが、他のジャンプ作品、例えば時代背景の設定や同じ冒険バトル物、るろうに剣心、ワンピース、NARUTO等と比較すると、
鬼滅の刃だけ根本的な設定が大きく異なる。先に述べた3作品には明確な正義の味方は存在しない。言い換えれば絶対的な「悪」は存在しないのだ。この3作品で、正義の為に戦っている作品は無い。
それに比べると、鬼滅の刃には「鬼舞辻無残」と言う絶対的な「悪」が存在する。つまり、戦隊ヒーローや、仮面ライダーのような勧善懲悪物だ。
大前提、勧善懲悪物を批判するつもりはない。むしろ戦隊ヒーローや仮面ライダーは今でも大好きだ。(この話は、また今度)
しかし、るろうに剣心、ワンピース、NARUTOで育った世代としては、漫画としての設定の緩さに、物足りなさを感じてしまう。

「鬼滅の刃」人気の理由

上記までで、「鬼滅の刃」の物足りなさを書き綴って来た訳だが、その逆でここでは、「鬼滅の刃」人気の理由と、ヒットとなった要因を考えてみる。
あくまで個人の見解なので、ご容赦を。

①ストーリー展開の早さと分かり易さ

矛盾する内容になるが、上記で述べた物足りなさが、そのまま魅力になっている作品なのだと思う。展開の早さは逆を言えば、見る物を飽きさせない。
長期連載などの作品に見られる、マンネリ化は無い。
また、ストーリーは鬼の討伐が目的の勧善懲悪物で有る為、話の混乱が置き難く、最後まで読み切る事が出来る。その上読み返しも容易だ。

②キャラクター数

他の同型漫画に比べると、キャラクター数が少なく、「柱」「鬼殺隊」「鬼」等のキャラクターのグループ区分も少ない。登場キャラクターが多すぎて、再登場した際にキャラクター同士の関係性を忘れてしまう等の心配もない。

まとめ

鬼滅の刃は、女性ファンと若年層のファンが多いと聞く。
鬼滅の刃は上記で述べた、「展開の早さと分かり易さ」「キャラクター数の少なさ」は少女漫画的だ。勿論キャラクターの個性等、他にも様々な人気の理由はあるのだろうが、少年漫画で有りながら、この構成と、話の分かり易さが、女性と若年層のファンを取り込んだのだろう。

鬼滅の刃[無限城編]

話を戻して。
鬼滅ファン待望の新作映画、鬼滅の刃[無限城編]が公開となった。
正直、見る予定は無かったのだが、たまたま時間ができたので、
人の勧めもあって見てみる事にした。
前回の映画から、約5年。今回は上記の事を踏まえた上で鑑賞に臨んだ。

感想

アニメ放映の続編と言う事で、鬼滅の刃初見の方には不向きな映画だ。
勿論分かって見に行った。
映画としてどうだこうだ言うのは野暮だろう。
ただ、制作人の熱意と本当にファンを大切にしている作品であることは間違いない。原作やアニメを見返さずに映画館を訪れたので、内容はほぼ忘れてしまっていたが、それでもファンサービスを感じれる程の熱量だった。
そして、映像と音響だ。それを楽しむ為に見るだけでも十分に楽しめるだろう。あまりのグラフィックのクオリティーに少し酔いかけた(笑)。
アトラクション映画の感覚で見ても楽しめる。これは、劇場ならではの楽しみ方だろう。
ご興味があれば、原作、アニメ、を見てから鑑賞する事をお勧めする。
物足りなさを差し引いたとしても楽しめる、娯楽作品だ。